Since 【第15回  

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2 イチローになる
 子どもを預けて勤めるからには中途半端な仕事はやりたくない。だから授業参観にも出席せず、一心不乱にがんばってきた。
「なんでお母さんは来てくれへんの?」
 長男の言葉にハッとした。
「どうして行くことができないんだろう?」
 長男の言葉をそのまま自分自身に問いかけてみた。そのころから、絵本を読んで聞かせる代わりに自分の夢を子どもたちに語りだした。
「働くお母さんにやさしい会社を作りたいねん。授業参観にはぜったい行かなアカン会社や」
 お母さんばかりが集まる会社が業績を上げて成功したら、世の中の目も変わるかもしれない。そう思いながらも、夢は語るだけにとどまっていた。
「イチローになる」と言っていた長男が、ある日イチローになるのはあきらめると言ってきた。
「夢は簡単にあきらめたらあかん!」
 そう怒ると、次の日「お母さんは会社を作る夢をあきらめたん?」と詰め寄られた。直球がストライクゾーンのど真ん中に入った。


 

≪KEY PERSON≫

上田 理恵子氏(42歳)

≪PROFILE≫

[生年・出身地]
1961年 鳥取県米子市

[趣味・特技]
フルート、ピアノ

[座右の銘] 
努力すればいつか道は拓ける

≪COMPANY DATA≫

●創業●
2001年8月

●事業内容●
育児・家事支援サービス、小中学生の自然体験スクール、各種セミナー開催など

●所在地●
大阪市淀川区西中島6-2-3チサン第7ビル608号


 
取材・文/中村 神無  写真/滝沢 稔