Since 【第15回  

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1 バクハツ!
 当時勤めていた空調メーカーでは、長男を出産したあと職場に復帰すると「ブランクが大きすぎる」と仕事をはずされ、お茶汲みの日々が3年続いた。翌年、二人目の子どもを生んで保育所探しに奔走すると「働いていたら、第二子の出産は普通3年開けるでしょ」と市の職員に言い放たれた。バクハツ、バクハツ! 
「これから子どもを産んで仕事を続けていく人に、こんな思いはしてほしくない!」
 マザーネットの前身となる「“キャリアと家庭”両立を目指す会」を設立したのはこんな体験からだ。
 子どもを産んで、仕事をする。当たり前のことが当たり前にできない世の中。またたく間に150人の会員が集まり、7年間で2万件の悩みが寄せられた。「子どもが熱を出したけど、会議を休めない。お願い、預かって」藁をもすがる若いお母さんは電話口で泣きだした。どうにかしてあげたい、でも自分にも会社がある……。
「私がしていることは中途半端なんじゃないか」 心が揺れた。


 

≪KEY PERSON≫

上田 理恵子氏(42歳)

≪PROFILE≫

[生年・出身地]
1961年 鳥取県米子市

[趣味・特技]
フルート、ピアノ

[座右の銘] 
努力すればいつか道は拓ける

≪COMPANY DATA≫

●創業●
2001年8月

●事業内容●
育児・家事支援サービス、小中学生の自然体験スクール、各種セミナー開催など

●所在地●
大阪市淀川区西中島6-2-3チサン第7ビル608号


 
取材・文/中村 神無  写真/滝沢 稔