Since 【第14回  

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4 「勝つこと」にこだわる
 創業して6年。大阪市内・神戸へも出店攻勢をかけ、今では8店舗を構え勢いに乗っている。子どもの頃、ケンカに負けると寝つけなくなるほど、むかしから『勝つこと』にこだわってきた。
「負けだと思ったらダメなんです。負けを認めない限り、勝てる可能性は限りなく広がるから」
 小さな成功は次のステージへの布石、目標は外食産業での新たなスタンダードの創造だ。刻々と変化するニーズに柔軟に対応できるよう情報収集を怠らず、半歩先のマーケティングを把握する。「お客さまにカタチだけでない、本質のあるものを提供したい」とは、現場主義らしい言葉である。
 店舗が増え、社員が増えるにつれて、彼らに対する責任と自分自身へのプレッシャーから悩み寝つけない夜もあった。そんなとき、『松下幸之助翁82の考え』を読んだ。
「“すぐに布団に入って寝たらアカン。悩んで寝られぬ夜もないと”という一節があったんです。ああ、経営の神様でもそうなのかと、安心したのを今でも思い出します」
 無類の本好きは、本を糧としてアグレッシブに突き進んできたのだ。
きちりのツボ
『KICHIRI SANNOMIYA』や『KICHIRI honmachi』など、創作料理系ダイニングやレストランを8店舗運営。”Positive Eating”というきちり独自の概念(楽しい食事から生まれる癒し・豊かさ・明日への活力)の浸透を目的に、真心のこもったホスピタリティを提供・提案している。
■04年3月1日掲載。データなどは掲載当時のものです。


 

≪KEY PERSON≫

平川 昌紀氏(34歳)

≪PROFILE≫

[生年・出身地]
1969年 大阪府

[趣味・特技]
読書

[座右の銘] 
規距作法を守りつくして破るとも、離るるとても本を忘るるな(最初に形を守り、次に形にとらわれずにそこから離れて再創造せよ。しかし、本質は忘れるな、の意)

≪COMPANY DATA≫

●創業●
1997年11月

●設立●
1998年7月

●事業内容●
飲食店『KICHIRI』などレストラン経営による飲食事業、および食を中心に生まれるHospitalityの提案・提供事業

●所在地●
大阪市中央区南本町2-6-22

 
取材・文/細山田 章子  写真/滝沢 稔