関西人間図鑑  【第8回  

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赤いビーズとナツメロが、自分の素顔かもしれない

 「浪花のちんどん屋」もしかしてすごい女傑タイプ? あるいは超ハイテンションな人?  
 にぎやかなちんどん屋のイメージから、人物像を勝手に作り上げていた。しかし目の前にいるのは言葉を選びながら静かに話す、穏やかな女性だった。 
 茶色の長いつややかな髪を束ね、Tシャツとジーパン姿。Tシャツはスポーティーな感じではなく、愛らしいテイストのもの。赤いビーズの指輪とマッチして可愛い。
「可愛いものがあるとつい買っちゃいますね。少女趣味なんです」  
 現在、CDを3枚出している。そのうちの1枚『花の素顔』は、ちんどん屋の音楽ではなく、大正13年から昭和24年のナツメロを収めている。「カチューシャの唄」「鐘の鳴る丘」などのタイトルも。
「このCDは素顔の自分に近い」
 聴いているだけでやさしい気分になれそうな甘い歌声が、ちんどん屋のイメージをもっと遠ざける。


 


≪分類≫
ちんどん座長目 
アコーディオン科

≪生息地≫
宮崎県延岡市

≪年齢≫
企業秘密


≪分布≫
大阪・なんばから世界へ

≪活動時間≫
24時間

≪好物≫
焼酎(最近、味に目覚めた)

≪相棒≫
アコーディオン
ちんどん太鼓

≪天敵≫
大阪弁(しゃべれないので)

 
取材・文/藤岡アーヤ