関西人間図鑑  【第7回  

 1>
 

毎年100匹出て、100匹入ってくる

 「ベル、ブラウニー」
 小屋ではしゃいでいる子犬たちがオリバーさんのもとへ転がるように駆け寄ってくる。彼女は話しかけ、頭をなでる。
「かわいい子たちでしょう」
 まるで宝物を抱くようにして、胸の中のベルを見せるオリバーさんは、とても優しい目をしていた。  
 ここARK(アニマルレフュージ関西)には、犬を中心に約500匹の動物たちが生活している。すべての動物には名前があり、それぞれに献立表、そしてマイボウルもある。これらの日用品や食事は、寄付によってまかなわれている。食事準備室はエサの山。それでもまだ足りない。絶えることなく、動物が引き取られてくるからだ。ここにやって来るのは、捨てられたり、飼い主の虐待などによって保護された動物たちばかり。なかには、ギンギツネや最近ブームになったチワワの姿もある。
「なぜこんなに多くの子たちが、ARKにいるんでしょう」
オリバーさんは流ちょうな日本語で語りはじめた。


 


≪分類≫
ARK代表目 
マザー科

≪生息地≫
大阪府豊能郡能勢町

≪年齢≫
62歳


≪分布≫
全国各地

≪活動時間≫
24時間

≪好物≫
旅行・クロスワードパズル

≪相棒≫
動物たち

≪天敵≫
心ない飼い主

 
取材・文/チノナツコ