関西人間図鑑  【第24回  

 1>
 

Responsibility&Freedom
 日本中を震撼させた阪神大震災から10年。被害の大きかった神戸市長田区は、すっかり新しい街へと様変わりした。復興事業によって新しいビルが次々と建ち、逆に仮設住宅や古い建物が姿を消す。写真スタジオ『スタジオPM』も、今年の9月に立ち退きが決まった。
 1月、振袖やスーツに身を包んだ若者たちが晴れ姿を写すためにスタジオPMを訪れた。松原洋さんがファインダーをのぞく。パシャ! パシャ! そう、10年前も今と同じように、このスタジオで新成人たちを撮影していた。
「あのとき成人を迎えた人たちは、どうしてるかなぁ……」
 ファインダーの向こうの新成人が、ふと、10年前の“彼ら”の姿と重なった。何千人といるお客の中で、あのときの彼らは特別な存在だった。


 


≪分類≫
写真目 
人物科

≪生息地≫
神戸市長田区

≪年齢≫
75歳


≪分布≫
若松町周辺

≪活動時間≫
9時半〜18時半

≪好物≫
カメラ(スウェーデンハッセルブラッド、コンタックス、ライカ)

≪相棒≫
カメラ

≪天敵≫
ナシ

 
取材・文/大久保由紀  小島 義秀