関西人間図鑑  【第16回  

 1>
 

イベント業は坊主と似ている
 午後4時、額に汗をにじませながら、資料が散らかった事務所をひとりで片づける男。 西日本最大のインディペンデント映画祭『プラネット映画祭』の生みの親で、 俳優・別所哲也が実行委員長を務める『ショートショートフィルムフェスティバル』 大阪地区のゼネラルマネージャー、その人だ。
「月参りでつい話し込んじゃいまして、さっき来たとこなんです」と挨拶代わりに合掌する。本職が檀家を600軒抱える寺の14代目であることはあまり知られていない。
「坊主に専念しろって、いつも親に小言を言われています」
 両親は息子のイベントプロデュースの才能を認めていないようだ。
「人と深くかかわるという点では、イベント業も坊主もよく似ていると思っています」
 本職に不満があるわけでもない。頻繁に両手を合わせる仕草、僧侶であることに誇りを持っているのだろう。


 


≪分類≫
イベントプロデューサー目
浄土真宗科

≪生息地≫
西淀川区姫島

≪年齢≫
33歳


≪分布≫
扇町界隈、仏壇の前

≪活動時間≫
9時〜15時
16時〜翌2時

≪好物≫
B級グルメ

≪相棒≫
ボランティアスタッフ

≪天敵≫
口だけで行動しない人

 
取材・文/北村 守康