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目についた新聞広告 |
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タレント養成所のオーディションを受けたのは、娘からの一言がきっかけだった。
「二人目の娘に、私らにかまってばかりおらんと趣味のひとつでも持ったらどうやのって言われましてねぇ。子は親離れできてるのに、親は子離れできてないなぁと」
ふっと肩の力が抜けたとき、新聞広告の文字が目についた。『あなたの人生経験生かしませんか?』タレント養成所のゴールドシニア熟年コースの広告だった。ご主人には内緒でオーディションを受けに行った。
「だって落ちたら恥ずかしいやん?」
最初は標準語が話せないせいで不合格。それでも茶飲み話にはなると思っていた。受けに行ったことすら忘れかけていた頃だ。合格通知は突然やって来た。
「やった!芸能人や!!」
その喜びを再現するように、コタツの中で満面の笑みを浮かべてガッツポーズ。
それから約1ヵ月後、日清製粉のCMに出演することになる。 |
辻イト子・マガル |
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名刺には可愛らしいみかんのイラストが入っている。タレントセンターを卒業後に設立したのが『みかん山プロダクション』だ。
「代官山プロダクションっていうのがあったから、それに対抗してみかん山にしたんですわ」
しばらくはフリーで活動をした。
「吉本の番組によく出させていただいてね」
養成所在学中のCM出演の経験を生かし、番組の中でも「大阪のおばちゃんキャラ」が花咲いた。
しかしそれだけでは飽き足らず、多くのタレントを抱えるプロダクションの経営をするかたわら、ご主人を巻き込んだ。ご主人は寡黙な人だったが、しゃべれないならそれを生かせばいい、とネタはすべて手作り。
「無理やりダンナを引き込んだんちゃいますよ!」
それはないと何度も首を横に振る。
「口ではアホか言うてましたけど、いやがらなかったですからねぇ。自然の成り行きですわ」
今宮戎神社の子ども漫才大会で夫婦漫才を披露後、“夫婦”は『辻イト子・マガル』として本当に吉本興業に所属することになった。 |
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≪分類≫
女優目
漫才師科
≪生息地≫
岸和田市
≪年齢≫
56歳
≪分布≫
スーパーマーケット
≪活動時間≫
13時〜18時
≪好物≫
みかん お餅
≪相棒≫
携帯電話
≪天敵≫
水泳
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