関西人間図鑑  【第13回  

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地域って妙に気になるんです
 “関西を元気にするオトコ” 周囲の人間は口を揃えて彼をそう呼ぶ。肩書きは大阪市の創業支援施設「Mebic扇町」所長兼インキュベーションマネージャー。紺のスーツにシャツとネクタイ、それにメガネという出で立ち。穏やかな表情から噂に聞いたバイタリティを想像するのは難しい。
「むかしから地理が好きだったんですよ」
 メガネの奥の目が緩む。
「というか旅行が好きで。はじめて自分で旅行したのは中学1年のころやなぁ。7歳の弟が『名古屋城を見たい』って言うから連れていったんです。それからは全国を旅しましたよ」
 なんと、分厚い時刻表をほとんど諳んじていたという。
「訪れる先々の地域って妙に気になるんですよね。そこに何があるのかとか、どんな風景があるかとか……。だから地図は大好きでした。世界の国の首都を暗記したりね」
 まだ見ぬ異国の地に胸を熱くした少年は、無意識のうちに「地域」と「地場産業」というライフワークをたぐり寄せはじめていたのかもしれない。


 


≪分類≫
ネットワーク目 
産業振興科

≪生息地≫
大阪府交野市

≪年齢≫
41歳


≪分布≫
大阪キタを中心に全国津々浦々

≪活動時間≫
24時間365日

≪好物≫
おもしろいヒト

≪相棒≫
周りのみんな

≪天敵≫
自分で汗をかかないヒト

 
取材・文/岸良 ゆか