Since 【第5回  

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1 大学よりバイトで学んだ
「ア・ラ・カンパーニュ」や「シュビドゥビカフェ」。神戸や大阪の若者が大好きなハットトリックの系列店。その仕掛け人は、大学を中退し、21歳で雑貨業界に飛びこんだ青年だった。
 大学生活の後半は、アルバイト先で輸入雑貨店の仕事にどっぷりハマッていた。店長に同行してアメリカへ出向き、フリーマーケットをまわって「アメリカンジャンク」と呼ばれる'50年代から'70年代の雑貨や古着を買いつける。商品の梱包などの雑務もひとりでこなし、日本に戻ると営業にも携わって自分の目利きした商品が客の手に渡るまで見届けた。
「アルバイトの僕にも、買いつけから販売までトータルに携わる機会を与えてくれたんがラッキーやった。おかげで『仕事』って、いろいろ業種があるんやなぁって、気づくことができました(笑)」
 仕事のおもしろさを実感してしまうと大学はお金と時間のムダに思えた。潔く中退し、25歳で「ハットトリック」を開業した。


 

≪KEY PERSON≫

明石 雅之氏(41歳)

≪PROFILE≫

1961年、兵庫県生まれ。3回生のときに大学を中退し、学生時代のアルバイト経験を活かして1984年に雑貨の輸入業を開始。1986年に輸入雑貨・古着を扱う「ハットトリック」を神戸・三宮の高架下にオープン。その後、「シュビドゥビダイニング」や「ザ・ライスガーデン」など、飲食事業にも進出。

≪COMPANY DATA≫

●設立●
1986年7月

●事業内容●
雑貨・生活関連雑貨のデザイン製造、輸入及び卸小売業、雑貨店のMD及びプランニング全般、オリジナル商品の企画開発、飲食店など

●所在地●
神戸市兵庫区会下山町2-4-4



 
取材・文/中野 純子  写真/滝沢 稔