Since 【第13回  

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2 販売ノウハウも人脈もなし
 練習と試合に明け暮れる住み込みの弟子たちにとって、武道と仕事の両立は大きな課題だった。「バイトもなかなか続かない。それなら、自分たちでなにか事業を興せないかなって。武道用具ってありきたりなものばかりだし、販売店舗も限られてるでしょ? そこでオリジナル用具の通信販売を思いついたんです。拘束時間も少ないし簡単そうだという安易な発想でしたけど(笑)」
 しかし、販売のノウハウも人脈もなしのスタートは前途多難だった。「タウンページで探した製造業者と接触できても、意外と生産コストが高くて採算が合わない。それなら海外やということになって。通訳も連れずにタイや台湾、中国に工場を探しに行って騙されたりもしましたね」
 試行錯誤ののち海外工場での商品企画製作を開始。カラフルなグローブやゴム入り帯などの独創的なアイデアと、従来の3分の1というコストパフォーマンスで商品は飛ぶように売れ、自社ブランド“マーシャルワールド”は3年で業界トップに上りつめた。


 

≪KEY PERSON≫

長江 芳実氏(37歳)

≪PROFILE≫

[生年・出身地]
1966年大阪府

[趣味・特技]
育児、読書、格闘技全般

[座右の銘] 
人事を尽くして天命を待つ

≪COMPANY DATA≫

●設立●
1993年8月

●事業内容●
レジャー施設運営、スポーツ・格闘技用品のブランド展開

●所在地●
大阪市西区江之子島1-6-5 ネクストジャパンビル


 
取材・文/岸良 ゆか  写真/滝沢 稔